論点を導くためには先行研究の多読が重要【最低30本】

大学院

こんにちはすぎっしゅ( @sugisshu )です。

論文を書くうえで大切なことはたくさんありますが、個人的見解として「論点を導く作業」がいちばん重要だと思います。その論点を導くためには先行研究を多く読むことが重要なのですが、ひとつの論点を導くのに、最低30本は論文を読んでおきたいです。

今日の記事では、効率的に論点を導くためにはどうすれば良いかについて解説しました。

はじめに: 論点とは、議論の中心となる問題点

論文執筆における「論点」とはなんでしょうか?

デジタル大辞泉で調べてみると、以下のように記載されていました。

議論の中心となる問題点。

デジタル大辞泉

論点とは、扱う議論の中心となる問題点のことをいいます。

英語だと以下の表現です。

the point of an argument, the point at issue

ジーニアス和英辞典

argumentやissueの”point”であることがわかります。

論点とは、その議論の中心となる「点」のことをいいます。

議論の「点(point)」であることを意識する

論点とは、議論の「点(point)」であることを意識するのが重要だと思います。

その理由は、現代社会においては社会課題や問題点が多くあり、そのほとんどが相互作用的に影響しあっているからです。

例えば少子高齢化の問題点を考えたときに「問題点は子どもが増えていないことです」といってもそれは単なる現象であり統計上のデータですから、論点とはなりえません。(社会動態調査の側面ではありうる話かもしれませんが)

上記の例で考えてみても、明らかに問題が広すぎて「点」とはいえないです。社会状況などから論点だけを抽出しようとするのは、相当慣れていないと難しいと考えます。

まず論点とは「点(point)」であることを意識するのが大切です。

補助的な課題点を抽出することが大切

中心となる論点を形成するためには、補助的な課題点を抽出することが大切です。

前章で挙げた「少子高齢化」の例で考えてみましょう。

まずその要因としていえるのが、仕事の複雑化・多忙化です。仕事に追われており家族の時間を確保できないでいると、子どもを産んで育てようという気持ちにはなりにくいと思います。朝7時に家を出て夜9時に帰宅する。このような多忙な状況では、子どもを産もうという気持ちにはなりにくいです。

次に、核家族化もその要因といえます。子どもを育てるには、夫婦ふたりだけの力では足りません。新生児のときには夜泣きをしますし、病気にもなりやすいです。そのときに助けになってくれるのが両親なのですが、核家族化の進んだ昨今では、その助けも借りにくい状況になっています。

最後に、社会保障費の増加です。どれだけ収入を増やしても、社会保障費が増加することで天引きされる額が大きくなってしまいます。これでは貯金を増やすこともできませんし、生活資金以外のお金を確保することが難しくなります。

上記は、「少子高齢化」の原因を探ることと、その影響をわたしが考えたものです。

これだけをみても子どもが増えていないこと「だけ」が問題点にはなり得ないわけです。

このように補助的な課題点を抽出することが大切です。

論点を導くためには先行研究を多く読むこと

ではどのように論点を導くかというと、それは先行研究を多く読むことです。

同じ領域における過去の研究をみれば、いま自分自身で抱えている課題がどの程度解明されているかがわかりますし、着目すべき内容もある程度わかってきます。

逆にいうと、研究分野の先行研究レビューのない論文は、研究背景を踏まえられていないという評価になります。

なので遠回りのようで実はこれがいちばんの近道だったりします。

論点を導くためには、先行研究を多く読むことが大切です。

まとめ: 点と点を結ぶ【最低30本】

以上が「論点を導くためには先行研究の多読が重要」でした。

先行研究を多くようんだ上で、議論の「点」を提示する役割を担うのが、論点を示すことです。

そしてその論点を導くためには、最低30本の論文を読むことが必要といえます。

もういちどまとめておきますね。

異論の点(point)であることを意識する

補助的な課題を抽出することが大切

論点を導くためには先行研究を数多く読む

最後までお読みいただきありがとうございました。

これであなたも研究者。

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