アッサローム・アライクン、YUJI( @sugisshu )です。
今回の記事では極貧生活の台湾旅行を切り抜けた方法が書かれています。どうやって13,000円で1週間を過ごすことができたのか。一言で説明すると”大道芸”をやったんですね。それも自分の特技を生かした方法です。それではどうぞ。
Contents
はじめに
【すぎっしゅあるある】
表現するのが難しいんだけど、すごい体験したので後日記事にします。なんか国を超えても生きるのって全然難しくなくて、むしろ困難なほど面白い。全ては実行力。#すぎっしゅあるある#いまは台北— すぎっしゅ@11/23~写真展開催! (@wish_yama) 2017年7月16日
セブ島での9週間にわたる語学留学を経て、英語力にある程度の自信がつきました。その効果は、地下鉄の中で外国人を見かけたら、誰かれ構わず声をかけてしまうほど。元からその節はあったのですが、拍車がかかった感じですかね。
セブ島ではブログを書くことと語学勉強をすることを並行して行うという稀な経験をさせていただき、それはもう、充実した時間を過ごすことができました。セブ島での生活は、ご飯も出るので、基本的な生活コストはかからないんですね。充実した9週間を過ごすことができました。
極貧生活となるはずだった台北旅行
さて、先日公開した記事の内容からもわかるように、所持金13,000円で極貧生活を強いられることになるであろう台湾旅行。約1週間の滞在ですから単純計算で1日約1,800円使えるのか……そう考えると余裕があるようにも思いますが、朝・昼・晩の食事代を考えると、これだけのコストでは結構厳しい生活を強いられるかも……。
しかも、台湾といえば九份・淡水などめぼしい観光スポットが点在しているし、食事もうまい。誘惑の多いこの環境下で果たして生活コストを下げたまま過ごせるのだろうか。そんな嬉しいような不安に苛まれます。
お金がない?なら稼ぐしかなかろう
「生活コストを下げるために移動を極力控えよう。」
ここで多くの人はこう考えるでしょう。ずっとホテルに滞在していれば3食にかかるお金を心配すればいいだけですから。しかし、それではせっかく台湾にきた理由がわからなくなってしまいます。観光の目的だったはずでは?
そこでわたしは、
”お金がないのであれば現地で稼げば良いのではいいのではないか?”
こう考えました。
色々悩みました。海外で生活していた経験はあるものの、すべて日本という枠組みに縛られた動きしかしてきませんでしたから。過去に特定の資格を持って雇われることはあっても、台北で極地に立たされているいま、有効なものはひとつもないんですね。いまのわたしは丸裸同然です。イチ個人となった時にどこまで稼げるのだろう。
大きな不安とともに、自分を試しているようなワクワクもありました。
わたしが試した3つの稼ぐ方法
そこでいくつかの稼ぐ方法を考え、台北で実行してみました。いざとなればクレジットカードを切れば買い物には困りませんし、食事もなんとかなるでしょう。しかしたった1週間ですから、これまでの経験と頭を使ってなんとか稼いでみよう。そう考えたんですね。
今回、3つの方法を試してみましたが、いくつかの前提条件がありました。
①現地人との関わりを持てるもの
②「この人と話せてよかった」そう思ってもらえること
③自分の得意なもので勝負すること
仮にも海外で暮らした経験があり、外国人と関わることは決して苦手ではありません。そして取得が楽ではない資格をいくつか所有していますから、できればそれらを活かすような取り組みがしたいと思ったんです。例えば路上で日本語を教えたり。
しかし、ハタから見れはただの浮浪人でしかありません。
顔つきもどちらかというと台湾人よりですから一見、日本人とわかりません。それらの決して有利とは言えない状況を払拭できるほどの魅力が、今の自分にはあるのだろうか?今回はそんな風に、自分を試すようなことをしてみました。
いくつかのエピソードを紹介します。
「50元で写真をとってその場で印刷します!」
はじめに試したのが、セブ島で大活躍したモバイル・プリンターを活用した、写真印刷サービスです。保有している一眼レフ機でその場で写真を撮り印刷します、というサービス。セブ島でこれらを使って少し稼ぐことができたので、まずはじめに試すのはこの方法です。
実施場所は台北の原宿とも呼ばれる西門。ここは台北でもっとも人通りが多く、写真を撮ることに興味を持ってくれるお客さんも多いだろう。セブ島やウズベキスタンでも写真を撮ることで喜んでくれる人が多かったし、このサービスなら間違いない。そう見込んでいました。
自作の広告を持ち、立ちんぼで待つこと2時間。
やっとひと組のお客さんを捕まえることができました
(解像度を下げています、西門にて)
「お母さんとの写真を撮ってほしい」
そう依頼してきた青年はわたしの活動に共感してくれ、写真1枚50元×2枚=100元、の正規料金を支払ってくれました。
写真を撮る営業を開始してから、はじめてのお客さんです。この時の喜びはひとしおでしたね。ちなみにこの写真販売は観光地、九份でも実施し、同じようにふた組のカップルがお客さんとしてきてくれました。
(解像度を下げています、九份にて)
(解像度を下げています、九份にて)
■写真撮影&印刷サービス
実施場所:西門、九份
総実施時間:10時間
来訪客:3組
売り上げ:200元(780円)
「50元で日本式のマッサージを提供します!」
写真撮影&印刷サービスとは打って変わり、今度は自分の専門技術を活かしたマッサージの提供サービスです。台北はいたるところにタイ式マッサージ・台湾式マッサージ屋さんがあるから、日本式のマッサージを提供すれば盛り上がること間違いなし!そう確信していました。マッサージ屋さんの雰囲気を出すために、偶然持っていた白衣(上衣のみ)を着用し、写真印刷サービスを行った西門で、同じく営業を開始しました。
すると営業開始から約1時間後、ひと組のお客さんをゲットしました。話を聞くと彼女たちはベトナムからの観光客だそうです。痛みのある部分を聞いたり、これから行うことの趣旨を説明し了承を得た後に、施術を開始しました。
すると、
「あなたのやり方は力の入れ方が弱いわ。」
「この料金は高いんじゃない?」
と痛烈な批判をいただきました。確かに台北で”全身マッサージ”と呼ばれている行為を受けた時は、かなりの痛みを感じました。わたしがやっていたのはあくまで除痛や動作改善としての行為の一環ですから、絶対に痛みを与えるようなことはしません。しかしそのマイルドな行為では彼女たちからのウケがよくなく、一見、素人マッサージストのように見られてしまったのです。
「高いと思うけど無料というのも悪いから支払うわね。」
この時に、これまでどれだけ日本の資格に甘えていたのかを痛感しました……。
■マッサージ
実施場所:西門
総実施時間:5時間
来訪客:1組
売り上げ:100元(390円)
※有資格者がこのような行為をすることは通常認められていませんので悪しからず。生きるために必死でした。
「写真を一緒に撮りましょう。無料です。」
これまで稼げた金額でとりあえず食事代くらいは稼ぐことができました。写真印刷サービスとマッサージ、どちらも自分の得意分野を活かす稼ぎ方だったので満足感はあります。だけど集客や実施、対価が適正であるかの判断もできなかったので、最後はお金にならないことをしてみよう、そう考えました。
最後にしかけたことは、
「日本人です。写真を一緒に撮りましょう。無料です。」
というサービス。
しかし、これが予想外の大波乱を生むのでした。
「一緒に写真を撮ってくれますか?」
「これはなんのためにやっていますか?」
「これをした後なにがありますか?」
「facebookやってますか?友達になりませんか?」
「日本語を教えてくれませんか?」
「ラーメンを奢りますよ。」
来てくれた人はたちから、とにかく質問ぜめをうけました。
「お金に困っていますか?」
わたしはこのサービスでお金を受け取るつもりはありませんでした。ただ日本語を学びたい台湾人と仲良くなって、彼らが日本へ来たときに案内できれば良いかなと考えていたのです。
興味を持ってくれた人のほとんどは日本語を学習している・もしくはこれからしたい人たちでした。彼らからは「日本のどんな漫画が好きですか?」などの質問もありましたね。
「応援しているので頑張ってください!」
と言ってくれる大学生の女の子もいました。なんだか気持ちが和みます。
(彼女がくれたケーキです。これが3日分の朝食となりました。ありがたい)
結果は……?
最後の「日本人です。写真を一緒に撮りましょう。無料です。」という取り組みでは、思わぬ収穫を得られました。それが以下の数値です。
■写真を一緒に撮りましょう。無料です。
実施場所:西門、淡水
総実施時間:5時間
来訪客:30組
寄付金:500元(約1,800円)、ラーメン(170元)、ホールケーキ(300元)
この時の収益額とは、彼らが寄付してくれた額です。わたしは決してお金が欲しいと伝えたわけではありません。しかしわたしの活動に共感し、寄付金をくれる人が圧倒的に多かったのもこの方法でした。
これまで行った3つの方法を比較してみると……。
来訪客:マッサージ < 写真印刷サービス < 無料で写真撮りましょう
収益額:マッサージ < 写真印刷サービス < 無料で写真撮りましょう
営業時間:無料で写真撮りましょう < マッサージ < 写真印刷サービス
わたしの満足度:マッサージ < 写真印刷サービス < 無料で写真撮りましょう
となりました。
わたしの満足度は、断然”無料で一緒に写真撮りましょう”をやった時が高かったです。なぜなら多くの台湾人に日本のことを伝え、関わりをもち、お金じゃないところに価値を見出せたんですから。
この経験から得た確信とは?
なーんか、殴り込みのように行った今回の3つの方法。思いがけずたくさんの学びを得られました。それが「集客ができないと収益にはならない」「お金を提示すると値踏みされる」そして「お金がかからないところに価値が生まれる」ということでした。
実ははじめ、写真印刷&マッサージだけで、もっとたくさん稼げると思っていたんです。もしかして台湾のTV取材なんか来ちゃうんじゃない?くらいに考えていました。しかし結果は散々で、ふたつのことを合わせても時給換算で20元(73円)でした。どう考えても少ない額です。一番効果的だったのは、利益度外視で行った”無料で一緒に写真を撮るサービス”でした。
なんかこれらのことって、最近流行しているクラウドファンディングに近いな、って思ったんです。
「こういうことをしています」
「でも活動を継続するためのお金が足りません」
「よかったらいくらか寄付していただけませんか?」
決して最後の取り組みでお金を要求したわけではありませんが、それでも、お金を寄付してくれる人がとても多かったのは事実です。
今回、最大利益を得られたことで唯一利用したのは「日本人である」という誰でも持っている枠組みでした。いま持っている資格を活用したものはではありません。このブログを読んでいる人の大多数は日本人だと思います。つまり「やろう!」と決めれば、誰でもできるはずなんですね。そう、これを読んでいるあなたにもきっとできるはずなんです。
一番自信のあったマッサージで大敗を喫しました。専門的な知識・技術があれば生活に困らないと言われていますが、それらがあっても生きられない場所はたくさんある。だけど発想と工夫次第で生き抜くことってできるんですよね。今回はそんなことを感じた一件でした。
今日のまとめ
日本人なら誰でも持っている”日本人”であるという資格・国籍。利用しようと思ってしたわけではありませんが、結果的に肩に乗る形となってしまいましたね。 このやり方も実は当日思いついたものでした。ある台湾在住の筆者が書いたブログをみたときに「台湾人は日本人が好き」「写真を撮るときは日本人と名乗りましょう」と書かれていました。だからそのまま実行したんです。
最も時間・労力・経験がいらないのに最も楽しめたのが最後の取り組みです。これって”価値のないところに対価が生まれる”ことのひとつの証明だと思いました。そのために必要なのは”市場分析”と”踏み出す勇気”あとは”運の良さ”だったのかもしれません。
お金じゃないところに価値が生まれ、生きていく力になる。これからの世の中、お金のために働くんじゃなくて、こういう風に他者との関わりの中で、生きるのに必要なものを分け合うように進んでいくと思うんです。高齢化が極大値を迎え、人口が減少、働き手のいなくなっていく日本で生き残るにはこの方法しかないとも言えます。
今日はそんなお話でした。
最後までお読み頂きありがとうございました!
これであなたは日本人。
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